ドラマストーリー

高句麗の人々は数千年の間に自分たちがジュシン帝国の後孫であると信じてジュシンの王を待っていた。 そんな、ある日…。

夜空にジュシン王の星が浮かび上がった。
その星は日が昇るというのにますます明るく光り、その星の光の下、王が生まれた。
我々が数千年をも待ち望んでいたジュシンの王だ。
また一方、その夜、水面下の暗闇では、ある闘いが繰り広げられていた。

その夜に生まれた王の子孫、つまりファヌンから始まりチュモ大王に繋がる天の血を受け継ぐ王家の末裔は、 ヨン・ガリョの息子、ヨン・ホゲであることが明らかになった。 王より多くの私兵を持ち、王に次ぐ太大兄の地位であるヨン・ガリョと、その時の王であるソスリム王の妹との間に 生まれたヨン・ホゲは、確かな王家の子孫であった。

当時、ソスリム王の弟であるオジジも息子が生まれたが、奇しくもジュシン王の星が光った日から三日後であったといわれていた。 その子の名は、タムドク。 しかし、その現実はけして不幸なことではなかった。

オジジは王家の正統の子孫ではないと、国内城の貴族たちから敬遠されていた。 彼は宮中から遠く離れた田舎で馬を飼いながら慎ましく生活をしていた。
そして、なるべく人の目に避け身を隠すようにしていた王の弟であった。 もし、彼の息子がヨン・ホゲと同じ日に生まれたら、おそらく三日もしない内に命を奪われたのであろう。 王は二人は必要ないのだ。

当時、ソスリム王には世継がいなかった。そのため、王の妹であるヨン夫人は自分の息子を強く太子にと推していたのである。 しかし、王の意思は固かった。いつも王に申し出を拒絶されたヨン夫人は、結局、その願いを果たすことはできなかった。

ソスリム王は次の王として、弟のオジジを任命し、死の目前に大殿会議を行った。 その会議に列席した重臣たちは、長い間その姿を見せていなかったオジジと息子のタムドクを見る。

新しく王となったヤン王(オジジ)は、対内的に貴族や各部族から忠誠を受けられない王であった。 しかも、対外的には北のフヨン、南の百済との戦いが頻発していた。

新しく王となったヤン王(オジジ)は、対内的に貴族や各部族から忠誠を受けられない王であった。 しかも、対外的には北のフヨン、南の百済との戦いが頻発していた。

しかし、ヤン王も自分を「本当の王」ではないと思っていた。 それは、息子タムドクこそが、真の王であると思っていたからだ。

彼が王になるまで、ちゃんと生きていけるように守ってあげることが、自分の仕事であるとヤン王は信じていた。 そのため、ヤン王はなるべくタムドクが人目に付かないよう、厳しく見張っていた。

絶対にタムドクの優れた点が知られてはいけない。特に、ヨン・ホゲより優秀だと知られてはいけないと思っていた。 ヤン王はタムドクが宮中から外へ出ることを禁止した。 親を大事にする気持ちが深いタムドクは父の言いつけを守っていた。しかし、本当の気持ちは違っていた。 父はタムドクが太学で友人たちと一緒に勉強や武芸を学ぶことを止めさせた。 表向きは、体が弱いからと嘘をついた。

しかし、タムドクは自分が決して弱くないことをよく分かっている。 だからこそ彼は人目につかないように武芸を練習し、蔵書閣に通い熱心に勉強していた。 ある日、タムドクは蔵書閣で神堂の修習師弟であるキハに偶然出会うのでる。

キハは幼い頃の記憶がない 五歳の頃火天会に拉致された彼女は、火天会の烙印を押される瞬間、以前の記憶を失くしてしまった。 つまり、火天会に殺された親や姉の思い出を全て失くしてしまったのである。

火天会にとって彼女はまるで君主と同じレベルであった。大長老も彼女には尊敬の意を表していた。 火天会の人々にとってキハは、昔のカジン(神話の虎族で、火の神女)が生まれ変わった存在である。
チュシンの星が光った夜、百済のヘ氏の家で朱雀の気運が現れ、数千年の間待ち続けていた火天会の人々はヘ氏の家に向かった。 家の中で見つけられた少女は無意識のうちに火を操っていた。彼らはその子が朱雀だと信じた。 幼いキハが紅玉を手にした時、火天会の人々にとって勝利は目前のように思えた。

しかし、その日以来キハは紅玉の力を自由に使うことはできなかった。 ただ、消えたろうそくの火をともしたり、薪をくべたりするのが彼女の力の全てであった。

火天会の長老たちは、三神の力が封印された時に一緒に封印された朱雀の力を解放しようと思っていた。 彼女の本来の力を呼び戻すため、彼らは必死だった。どのみちチュシンの神檀樹に封じられている力も 手に入れなければならないと、彼らは思っていた。

キハが15歳になると火天会の長老たちは彼女を国内城の天地神堂に送る。 幼い司祭として生きていく彼女には大きな二つの使命がある。
ひとつはチュシン王の星のもとに生まれたヨン・ホゲの心を奪うことである。 封印を開放するためにはチュシン王の血が繋がる人のしるしがなければならない。

二つ目は高句麗の神気の一番近くで感じられる天地新堂で、神物に関する情報を手に入れられるかもしれないからだ。 彼女は自らを火天会の神女であり、火天会の使命が唯一の生きがいだと思っていた。 その二つはキハにとって人生の全てであった。せめて、タムドクに会う前まではそうであった。

幼いタムドクとキハの出会いは寂しい魂同士が出会うようなものであった。
父の厳しい命令のため自分を表に出せないタムドク、幼い頃から自分の意思とは関係なく火の神女として生き、 火天会のスパイになっているキハ、二人はお互いに慰めあうことができる存在であった。

実はキハにとってタムドクは使命とは関係ない者であった。
キハが手にするべきものはヨン・ホゲの心であり、天地神党での地位と情報であった。 だからこそ、タムドクは逆に邪魔なのである。

しかし時間が経つにつれ、キハにとってタムドクに会うことは、唯一の楽しみとなっていた。 キハを守るサリャンと大長老はタムドクに会うことを注意したが、彼女はタムドクの事だけは譲らなかった。
タムドクにとってもキハはどんどん重要な存在になっていた。 かつて母を亡くした彼にとってキハは兄弟でもあり、時には武芸の練習相手であった。 そして、年を重ねるうちに恋人同士になっていた。

タムドクはまるで監獄のような宮中からひそかに抜け出し、平服で市場をあちこちうろつくのを 楽しんでいた。そこには、各地から集まった商人たちと彼らの会話があった。 王宮では誰も知らないが、タムドクは市場内の有名な仲買である。 タムドクがスジニと出会ったのも市場であった。

スジニはキハの妹であった。 へ氏の家が火天会に襲われた日に母は5歳のキハに紅玉を渡し、幼い妹の世話を願って死んでいった。 その時、スジニは生まれてから満一年になっていなかった。母の死が近づいた瞬間、キハは妹を抱きしめた。 二人は朱雀の心臓である紅玉から発せられた膜に包まれた。

火天会はキハと朱雀の心臓だけを奪い去った。甕の中に隠されたスジニは見つからなかった。 しかし、誰にもわからない事が一つあった。

朱雀の力を呼び起こしたのはキハなのか、あるはスジニなのか?二人とも朱雀の心臓を守ってきたへ家の娘であったからだ。 幼いスジニを見つけたのは、ひと足遅れて来たゴムル村のヒョンゴであった。

当時、ヒョンゴは15歳だった。ヒョンゴが甕の中から見つけた子供はヒョンゴを見てにっこりと笑った。
大先生は黒朱雀の気運を感じ幼いスジニを殺そうとしたが、ヒョンゴは朱雀の気運であり決して黒朱雀の気運ではないと確信していた。 ヒョンゴはスジニを抱きしめ殺さないよう嘆願した。罪のない幼い命を殺すということは、大先生もあまり気が向かないことであった。

しかし、ゴムル村の人々にとって朱雀の子孫は恐怖の対象でもあった。 ジュシン王とともに目を覚めた朱雀が、果たして、かつてのセオの子孫なのか、火の神女であるカジンの子孫なのか…、 ともすれば、昔のように爆発して黒朱雀に変わってしまったら…。
そうなると、この世はまた地獄と化してしまうかもしれない。

しかし、ヒョンゴは最後までスジニが殺すことを反対した。

その夜、大先生はスジニを抱いているヒョンゴに言った。 「お前に任務を与えよう」
「ほんの一瞬ですら、その子から目を離してはいかない」
「もし、その子に黒朱雀の気運を見つけたら」
「お前はその子を殺さなければいかない。」
「できるか?」
以降、スジニはゴムル村で唯一の女の子として育てられる。

ヒョンゴを師匠と呼び、彼のようによく笑い話をする子供になった。 周りに女の子がいないゴムル村で育てられたため、普通の女性のようになれず、 弓術に長け、酒を好み、そして賭博やスリにも才能を覗かせ、男勝りな武士へと成長していった。

ある日、ゴムル村の大先生が臨終の床についていた。 ゴムル村の弟子たち集まったところで、大先生は玄武の杖に最後の挨拶をしていた。

大先生が死の瞬間、杖は光を発し、空中に浮かぶと同時に、新しい主人を指名したのであった。
ヒョンゴのひざの下に杖が来た。
新しいゴムル村の村長が誕生した瞬間であった。

そして、タムドク、キハ、スジニ、ヨン・ホゲは子供から大人へと成長していった。